紹介 処女はお姉さまに恋してる 


<あらすじ紹介>

主人公は某巨大財閥の跡取息子です。
厳格な家の元で英才教育を叩き込まれ、厳しく育てられてきました。

主人公の祖父が亡くなった年の春。
祖父の遺言に
 「孫(主人公)に女装させ、恵泉女学院に通学させること」
とあった事を知らされます。

正気を疑うような遺言に成り行き上仕方なく、祖父の最後の願いを叶えるため
主人公は女装し、お嬢様学校である「恵泉女学院」に転入します。

そんな女装主人公とお嬢様の学園生活を描いたゲームです。




<主人公紹介>

まずは主人公紹介から。

宮小路瑞穂(みやのこうじ みずほ)さま




ぶっちゃけありえないことですが、外見とは異なる性別です。
正体がばれないかヒヤヒヤしながらも、お嬢様として生活し続けます。

美しい容姿、優秀な学業成績、優雅なふるまいから、瞬く間に学校中の評判となり
全校生徒のお姉さま「エルダーシスター」に選出されてしまいます。

女生徒から「お姉さま〜!」ときゃーきゃー騒がれる幸せと、
彼女らの期待に応えようと振舞っては、自己嫌悪に苛まれる不幸を体験するその姿には
笑いを誘われる事間違いなし。

料理以外なら何でもできるし、
謙虚な性格で自分の有能ぶりを鼻にかけたりしない…
と、まさに文武両道・才色兼備の完璧超人でいらっしゃいます。

女の子達がきゃーきゃー騒ぐのにも納得です。



何と言ってもこの主人公の存在が、光ってます。
女性が人気が集中するが必然のギャルゲーというジャンルにおいて、
公式ホームページの人気投票で男性にも関わらずトップを争うという異常さ。

2005年げいむ乱舞界の萌えキャラ投票では12位と異常な順位・・・

更に投票コメントに「男でいいから嫁にしたい」などという異常なモノがありました。

一つだけ言いたい事…

貴女(?)絶対ホルモン剤飲んでるでしょう!?



<全体的な雰囲気がいい>

似てると思わずにいられない、
明らかに近年の「マリア様が見てる」の影響を受けてはいるものの。

(ドタバタ)コメディを売りにしており、
素直に次の展開が楽しみにする状態が続いたりと
ADVというジャンルに必要な雰囲気作りは秀逸です。

「マリア様が見てる」とは違い主人公のキャラが中性的なのをはじめとする独自の要素・イベントが多く
不快には感じませんでした。


プレイスタイルは上品に、
エレガンティブルな雰囲気をまったりと楽しむのが恵泉女学院でたしなみです。
惜しむらくは18禁というジャンルの宿命として必要以上に卑猥なシーンが多かった事でしょうか。
発売が決まっている全年齢対象版では改められると嬉しいです。


<サブキャラも輝いている>

主人公が光っていますが、
他のヒロインがメインのシナリオで他のヒロインやサブキャラクターもさりげなくいい味を出してます。

メインとなっているヒロインの役割は女装潜入という特殊な状況を利用した優れたものではありましたが、
インパクトに欠けたり不適切だったり先が読めたりと何らかの欠点を抱えたものでした。

しかし、本来なら大して目立つ事のない主人公とヒロインの周りのキャラクターが
多くの場面で支えになる事で欠点を補って、恵泉女学院の雰囲気をより確かな物にしています。





<歯を食いしばって笑いに耐える!>

上記のような訳の分からないノリが最後まで続いた時点で満足でした。
アブノーマルな設定により女の子達から特殊な形で愛されてる生活を眺めることで、
不覚にも訳の分からない興奮に捕らわれてしまいました。

属性とか嗜好とか、そういうのではなく本能的に、衝動的に訴えかけてくる何かがあります…このゲーム…。





端的に表現するなら…





こんなに女の子に囲まれるなんてそうそう無い





そんな有り得ない事象を取り上げた例なら、掃いて捨てるほどありますが…








                                               ↑主人公です


更に「尊敬」「敬慕」「信頼」を一身に受ける生活に,

興奮しない者がいるであろうか?

いや無い!!




といったとこでしょうか…



<ヒロイン達>

十条 紫苑(じゅうじょう しおん)さん



高貴なオーラを漂わせる、生粋のお嬢様にして、
物腰柔らかで常に落ち着きを失わない、優しいお方。
転向初日から主人公とは仲の良い友達になり、よき相談相手として支えてくれる、
頼れる拠り所の役割を果たしています。

実は意外なところでお茶目だったり、
普段の振る舞いと段違いに幼い部分があったりして、奥が深い方です。


古いしがらみから救われる過程が見たことのない展開を見せてくれました。
「絶望の苗床から希望が芽吹く」のはいつの時代も綺麗な物です。






御門まりや (みかど まりや)



主人公の親戚で幼馴染です。
「主人公に女装させるのが大好き」という趣味を持ち
祖父の異常な遺言執行のお目付け役を買って出て女子校編入をさせたりと、
とても砕けた性格をしている、いわゆる喧嘩上等系幼なじみ。

主人公がエルダーシスターに選ばれたのも彼女の裏工作による所が大きく
主人公を振り回し続けるのは別種の笑いを誘います。
主人公が「みんなのお姉さま」として成長していくのを見て、
嫉妬や恋愛感情に発展する過程はよかったです。
しかし、彼女は最後の展開はもっと元気な物にしたほうが良かった…。





厳島 貴子(いつくしま たかこ)嬢



勝気で強気なお嬢様にして学園の生徒会長です。
主人公がやってくる前は、唯一のエルダー候補だったのに
どこの馬の骨とも分からない主人公 にエルダーの座を奪われ、敵対視するようになり、
ことあるごとに意見を異にします。

しかし衝突するたび、主人公の深い優しさに触れ、少しずつ心を開いていきベタ惚れ状態に
…いわゆる「ツンデレ」というものです。

彼女の前後のギャップには動揺させらました。

私的には凛とした態度で主人公を引っ張っていくとかしてくれないとエレガントさに欠けてしまいますので。
少し物足りない…

でも、紫苑ルートでの彼女はそんな私の不満を吹き飛ばしてくれる凛々しさを見せてくれました。

公式HPでの人気投票では僅差で主人公を抑え、一位の栄冠に輝いてます。
(投票にトラブルがあったようですが…)

2005年げいむ乱舞界の萌えキャラ投票では5位と敢闘でした・・・





上岡 由佳里(かみおか ゆかり)ちゃん



寮住まいの一年生です。
勉強とユーレイが非常に苦手だけど、運動と料理が得意な元気少女。
陸上部のせいか見た目男の子っぽいけど、心は乙女でハンバーグが大好き。

彼女のシナリオは主人公が見かけと異なる性別だという事がバレて、泣いたり騒いだりする、
女装潜入の王道というべきシナリオです。





周防院 奏(すおういん かな)ちゃん



主人公と同じく寮住まいの一年生。
寮ではお茶や食事などの主人公のお世話係です。

勉強はできるけど、かなりのドジっ子。
語尾は「〜〜なのですよ〜」…
初対面時から主人公への好感度が非常に高く、甘えてきたり、抱きついてきたり…。

私的には製作者の意図が見えてしまうので好ましくありませんが。
サブキャラとして物語を彩る役割に限定すれば愛すべき良キャラでした。





高島 一子ちゃん



主人公の寮部屋に住み着く、幽霊です。
20年前に病死したけど、未練が残って地縛霊になってます。
幽霊のくせにやたら明るい…。
一緒にいてて退屈しない、トラブルメーカー。
普段が明るく楽しいだけに、彼女の存在理由と昇天は涙を誘いました。
シナリオによってヒロインの背中を押す、その役割も重要です。






*注
これより先は私的な物ならびに悪評です
好奇心旺盛な人のみどうぞ。







<プレイ動機>
パソコンゲームというジャンルは作品が作り出す雰囲気が会うかどうかで満足の度合いが激変します。
自分に外れた作品を買わないために、よほどの例外でない限り体験版を未プレイでは購入しません。

体験版の理想はその作品の特徴を示し、長所や特色を押し出しつつユーザーに期待をさせ
購買意欲を高めさせるためのものだと考えます

「処女はお姉さまに恋してる」は体験版の時点で佳作の雰囲気を漂わせていました。
特殊すぎるアイデアの勝利の他に体験版の秀逸さが購入動機に挙げられます。

大量の体験版が無料でダウンロードできる今。
「タダで手に入れられるもの」以上の物を体験版として提供し、恩を売ることで購買意欲を高めるというぐらいの出来でなければあまり売れないように思われます。
たかが体験版、されど体験版。

偉い人や、絵だけで買うエロい人にはそれがわからんのです。


<システム面で佳作に届かない良作>
欠点
・各ヒロインの共通ルートが長すぎて最後はとってつけたような感じ。
・立ち絵のバリエーション、キャラのバリエーション、イベントCGが少ない、
・システム面が悪い、セーブ可能数が少ない、起動直後に4秒程待たされる。というのがシステム上の欠点

私の比較対象がType−moonだから劣るのは当然だけどパワー不足は否めません。

アイデアの勝利で感銘を与えてくれたものの、値段に見合った価値はないと言わなければなりません。
乱立する他の娯楽と比べればまだ優秀な方なんですけどね。

要するに一発ネタの領域を離脱できない良策といったところ。

<コレはやりすぎです、お姉さま>
十八禁というジャンルだから仕方がないにしろ、卑猥なシーンはエレガントな雰囲気を壊してしまう諸刃の剣です。
(多くのプレイヤーはネタとして楽しんだみたいですしそれが正しい楽しみ方なのでしょうが)
貴子さんエンドのアレはかなり引きました。

<ちょ…何やってんのこの先生>










あのー言ってよろしいでしょうか?
先生の過去話、まんま白薔薇さま(佐藤聖さま)

別れを描写するのはいいですが、しおりさんは変えたほうが良かったかと。

<意外な反応>

しかしこの作品がまさかホームページ開設の原因になろうとは、世の中何が起こるかわかったものじゃありません。


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